こんにちは、re:Bright(リブライト)の代表、山脇です。
前回の開発記#1では、不用品回収の現場で直面する
「目利きの壁」と、外部査定に頼ることの限界についてお話ししました。
今回はその続きです。「ないなら、自分で作ってみよう」と決意してから、どんな考え方で「デジタルの眼」を形にしようとしているのか。開発の第一歩をお届けします。
システムを作るとき、最初に悩んだのは「お客様にどう使ってもらうか」でした。
不用品回収の現場では、スマホは常にポケットに入っています。お客様も私も、すでにLINEを日常的に使っている。新しいアプリをインストールしてもらうより、LINEで写真を送るだけの方が、はるかに現実的だと考えました。
これが、のちにサービス名「AIなんでも鑑定」として形になるLINE公式アカウントの出発点です。
ざっくり言うと、仕組みは次のとおりです。
- 写真送信 … LINEで商品の写真を送る(複数枚・メモ補足も可)
- AIによる読み取り … 写真から商品名・メーカー・型番・外観の状態を自動で判別
- 市場リサーチ … 主要なフリマ・オークションの相場情報を横断的に収集
- 相場の整理 … 集めた価格データを整理し、参考となる価格帯を算出
- 査定レポート返信 … 参考買取価格と相場の目安をLINEでお届け
現場で何十枚も写真を撮り、業者ごとに送り分ける作業が、「送る → 待つ → レポートが届く」という流れに変わる。これが目指した姿です。
中身をもう少しだけ分解すると、大きく3つの要素で成り立っています。細かい作り込みは社内の工夫なので、ここではイメージだけお伝えします。
① 「これは何か」を見抜く部分
写真を見て商品の種類や特徴を読み取る仕組みです。家電なら型番、ブランド品ならモデル名と状態、雑貨なら素材やサイズ…。品物のジャンルに合わせて、相場調べに使える情報を自動で整理します。
② 「今いくらで売られているか」を調べる部分
読み取った情報をもとに、フリマやオークションなど複数の場の相場をまとめてリサーチ。実際の取引価格を集め、「だいたいこのくらいの相場」という土台を作ります。
③ 現場で使える形に届ける部分
写真の受け取りから、判別・相場調べ・レポート作成・LINEへの返信までを、ひと続きの流れでつなぐ自動化の仕組みです。私が現場で手作業していた作業を、できるだけシンプルな操作にまとめることを意識しています。
私に足りなかったのは経験と勘。でも、相場をその場で調べる作業そのものは、仕組み化すれば圧倒的に速くできる。そこにAIの力を借りれば、「デジタルの眼」になるのではないか ―― そう考えました。
正直に言うと、最初のプロトタイプは思ったより早く動きました。写真を送ると、何らかの商品名と価格帯が返ってくる。開発者の目から見れば「すごい時代になった」と感動するレベルです。
しかし、不用品回収の現場でお客様の前に出すには、まだ早かった。
- 写真の撮り方で精度が大きく変わる
- 型番が読み取れないと、相場データが集まらない
- 「参考価格」であることの説明が必要(保証ではない)
- 判別がうまくいかない商品や、相場データが集まりにくいケースもある
「動く」と「現場で使える」は、別物でした。
それでも、第一歩は確実に踏み出せています。目利きの代わりになる魔法の目は、形になりつつある。あとは現場で試し、直し、磨いていくフェーズに入ります。
次回の開発記#3では、実際に現場やテスト環境で使ってみて分かった
「精度を上げるコツ」と「うまくいかなかった話」をお届けします。
動いたからこそ見えてきた、リアルな試行錯誤の記録です。
現場の悩みから生まれるITソリューション
開発記シリーズ:
#1「目利き」の壁
| #2 開発の第一歩(本記事)
| #3 現場テスト(近日公開)

